
築34年のマンションにおける、部分リノベーションである。
明るいキッチンカウンターを作り、洗面ボウルを2つにしたい。間も無く定年を迎える施主からの要望は、日々の生活で小さなストレスを減らすためのユーティリティ改善だった。
南北に伸びた平面プランで、南側には緑が見える窓があった。ここから入る光を、なるべく部屋の奥まで、もちろんキッチンにも、通すことを考え、シンク、コンロ、家電、洗濯機、などの家事要素を、小さく分散させることにした。
マンション全体は、バブル期らしく装飾性のある設えで、真鍮や大理石が用いられていた。そうした文脈に添い、コーラルの石やステンレス、木ルーバーや和紙、タイルといった、ちょっとした強さを持つ素材を、少しずつ挿入して空間を使った。結果時に、陰影のある路地のような空間が生まれ、部分改修でありながら、部屋全体の印象が更新された。
物の値段も、建設費も日々、高値が更新されていく中で、老若男女が暮らしのチューニングを諦めず、小さな一歩を踏み出す。小さな一歩は、空間全体に良い影響を与える。
そんな方法がもっと広まると嬉しいなと思いながら設計した。
Client:Secret
Designer:NYAWA
Completion: February, 2026
Photo:AYATO OZAWA
Manufacture:E-KEN








#HOUSE #RENOVATION
